歯並びが悪い原因は、「歯」だけでなく、「骨格」に由来している場合があります。
骨格のバランスが悪い場合には、重度の不正咬合を引き起こしているケースが多く、噛み合わせに負担がかかっていることも多くなります。
骨格のバランスが悪い場合には、顎の骨のバランスを整える外科治療をしてから、矯正治療が必要になります。
そこで今回は、骨格的な見た目や噛み合わせが気になる場合の治療法についてご紹介します。
目次
外科的矯正治療
歯並びを整える歯科矯正に対して、外科矯正は、顎の骨のバランスを改善して、その上で歯並びを整える治療です。
骨格のバランスが悪い場合に適用になる方法で、歯科矯正だけでは改善が難しい場合に検討されます。
骨格的なバランスの悪さの改善が見込めます。
患者さまがどの程度改善を希望しているかにもよりますが、下顎が前に出ている場合(受け口)で、歯並びを改善した場合でも、下顎の改善が見込めない場合に適用になります。
どの矯正治療も、見た目だけでなく噛み合わせのバランスを整えることができます。
そのため、機能面の改善が大きい治療です。
しっかり噛むことができることで、食生活が改善しやすくなります。
また、特定の歯や顎に負担がかからず、お口の健康を保ちやすくなります。
対象の歯並びは?
- 下顎が下がっている方。(上顎前突)
- 下顎が前に出ている方。(下顎前突)
- 顎が左右対称ではなく、曲がっている方。
これらは、顎変形症に診断されることもあり、どちらかの顎の成長が過剰だった場合や不足している場合に起きることがあります。
骨格のバランスが悪くなっているので、噛み合わせにも悪影響が出ます。
骨格に合わせようとしますが、唇が閉じにくくなったり、顎の先端にしわが寄ってしまったりすることもあります。
また、下顎が小さい方は、就寝中に舌が喉の方に落ち込みやすくなります。
それによりいびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。
睡眠時無呼吸症候群は、良質な睡眠が取れないだけではありません。
十分な酸素が行き渡らないので、血管に負担がかかりやすい疾患です。
長期間続くと高血圧や心臓疾患、脳梗塞などの可能性が高くなるため、早めに改善した方がよい状態になります。
一般的な外科矯正の流れ
STEP1 精密検査・診断
歯並びと骨格の状態をレントゲンやCTを撮影して、3次元的に確認します。
その上で患者さまのご希望や気になって入る部分を伺って、治療計画を立案します。
※顎変形症と診断され、指定条件をクリアして大学病院などで治療をする場合は、保険が適用になることがあります。
STEP2 術前矯正
手術をする前に、シュミュレーションを元に歯並びの状態を整えていきます。
顎変形症の方は、上顎が狭くなっている場合があります。
その場合には患者さまの負担を軽減するために「急速拡大装置」を使用して、少しずつ顎を広げることがあります。
STEP3 手術前の精密検査・診断
術前矯正が終わった段階で再度精密検査をして、外科手術のシュミュレーションを行います。
どの部分の骨を切除して、顎のバランスを整えるか決定します。
STEP4 外科手術
下顎や上顎の骨のバランスや位置を改善します。
噛み合わせをスプリントで確認して、顎の位置を固定します。
STEP5 術後矯正
退院してから、不安定な噛み合わせのバランスを矯正していきます。
STEP6 動的矯正期間終了・保定期間
歯の噛み合わせや歯並びを改善する動的矯正期間が終了したら、整った歯並びが定着するために大切な保定期間になります。
外科矯正のサージェリーファースト
サージェリーファーストは、術前矯正は行わず、外科手術を行ってから矯正治療を行う方法です。
デジタルの矯正システムにより事前にシュミュレーションができることで、効率的に治療計画を立案できるようになりました。
>>当医院の「外科矯正(サージェリーファースト)」について
サージェリーファーストのメリット
1 .見た目の改善が早い
顎変形症の方は見た目のコンプレックスを持っていることが少なくありません。
特に下顎が前に出ている「受け口」の場合には、特徴的な見た目なので審美性を改善したいとご希望の方が多くなります。
サージェリーファーストの場合、骨格のバランスを整えることからスタートします。
それにより下顎のバランスの改善が早期にできます。
そのため、治療開始をして早い段階で見た目の改善が期待できます。
コンプレックスを抱いている方も満足していただきやすい治療です。
2.治療期間が短縮できる
術前矯正から含めて行う場合には、全ての治療期間は3~5年程度かかることも少なくありません。
サージェリーファーストの場合には、術前矯正を行わないため、治療期間を短縮することができます。
3.従来の外科矯正より負担を軽減できる
術前矯正をする際には、外科手術を行ったことを想定して噛み合わせのバランスを整えていきます。
そのため今の噛み合わせには合わない部分が出てきますが、術前矯正の期間はその歯並びで過ごしていただくことになります。
また、術前矯正の段階では、見た目の改善も見込めません。
サージェリーファーストの場合には、先の外科矯正をして、その後噛み合わせのバランスを整えていきます。
そのため、患者さまの負担を軽減できる方法といえます。
サージェリーファーストのデメリット
1.保険適用ではない
外科矯正の中でも顎変形症と診断されて、指定の大学病院で治療をするなどいくつかの条件をクリアした場合には、保険が適用になります。
ただ、入院施設が整っているなど一般的なクリニックでは対応していない項目も多く、適用範囲が狭いです。
サージェリーファーストの場合には、保険が適用していません。
その分、サージェリーファーストに対応している指定の病院ではなくても治療が可能です。
2.診断・治療計画に高度な技術が必要
サージェリーファーストに対応しているクリニックは非常に少なく、診断や治療計画の立案をするために技術や知識が必要です。
また、外科手術に対応している治療環境があることが求められます。
サージジェリーファーストの術後矯正の種類
・ワイヤー矯正
表側矯正
歯の表面にブラケットをつけて、ワイヤーを通して適切な力をかけて歯を動かす方法です。
多くの歯並びに対応していて、歴史のある方法です。
従来の表側矯正は、金属の素材を使用していたので見た目が目立ってしまうことがありました。
しかし現在では、白や透明のブラケットや審美ワイヤーも選択できるようになりました。
それにより矯正治療中の見た目のストレスも軽減されています。
>>難波矯正歯科の「治療内容」について
裏側矯正
歯の裏側にブラケットをつけて、ワイヤーを通して適切な力をかけて歯を動かす方法です。
歯の裏側に装置をつけるので、矯正中の見た目がほとんど分かりません。
しかし歯の裏側に装置をつけるのは表側矯正より技術力が必要です。
そのため、全ての矯正歯科で対応しているわけではありません。
>>難波矯正歯科の「裏側矯正」について
サージェリーファーストは保険が適用になりません。
しかしその分、矯正方法を自分で選択することができます。
お口の状態によって適用になる矯正方法が限られてくる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
まとめ
骨格のバランスが悪い場合には、外科矯正も必要なケースが出てきます。
その場合には、従来の外科矯正とサージェリーファーストと比較して選択する必要があります。
従来の外科矯正は、顎変形症と診断されると保険適用ができる場合がありますが、さまざまな条件があります。
サージェリーファーストは保険適用にはなりませんが、患者さまのお口の合った治療を選択ができます。
それぞれ比較して検討してみてくださいね。
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