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受け口の施術でつらいことはある?外科矯正について解説


歯を治療するイメージ画像

みなさん、こんにちは。難波矯正歯科です。

日本人の受け口の割合は約3~4%と少ないように感じますが、見た目や噛み合わせに大きな影響を与えるので、受け口でお悩みの方は多いでしょう。
幼少期は気にならなかった骨格が下顎の成長に伴って受け口になることや、生活習慣の影響により骨格を受け口に変形させることもあります。

つまり大人へなる過程で受け口が悪化するケースも多いので、誰でも受け口になってしまう可能性はあるのです。
受け口の治療では歯列矯正で改善できる症例と、外科手術が必要な症例があります。
矯正治療もつらいイメージはあると思いますが、それ以上に外科手術はハードルが高くて術後のダウンタイムの不安など気になる点が多々あるでしょう。

現在受け口でお悩みの方や将来の不安がある方は、受け口の治療方法や治療のつらさなどについて詳しくまとめましたので、是非参考にしてみて下さい。

手術が必要な受け口とは?

反対咬合(下顎前突)のイラスト

受け口は上下の歯の噛み合わせが本来とは反対になっている状態です。
受け口には歯並びに問題があるケースと、骨格に問題があるケースに分かれます。

歯が生える位置異常により受け口を引き起こしている場合は、歯列矯正で歯並びを整えると改善します。

しかし下顎が前に突出している場合や、上下顎のバランスが悪く下顎が大きく成長することや、骨格が重症な場合は手術が必要になります

受け口がコンプレックスに感じている若い方は今すぐにでも手術をしたいと思いますが、下顎の成長が落ち着くまで様子を見ることが多いです。
成長完了時期は大体女性が16歳頃、男性が18歳頃になります。
この時期までに受け口の治療を行っても、下顎の成長に伴い受け口が再発するリスクが考えられるので、成長完了までの経過観察期間も含めると治療期間は長くなりやすいです。
成長観察を行い、受け口が治らず成長が止まった時点から外科手術を選択できるタイミングになります。

受け口の手術の種類について

歯を治療するイメージ画像

歯列矯正だけでは改善が見込めない場合、歯列矯正外科手術を組み合わせる「外科矯正」行われます。

2つの治療を組み合わせるため治療期間はトータルで2~3年が必要になりますが、外科矯正を行うことで見た目や歯並び、噛み合わせが短期間で満足する結果を得られることができます。

外科矯正の流れ

治療フローのイメージ画像

外科矯正は歯列矯正を行ってから外科手術を行う流れになります。

1.術前矯正

矯正装置を用いて大体の歯並びを整える

2.外科手術

全身麻酔下で下顎骨を切り、顎の位置を調整する

3.術後矯正

術後に噛み合わせを整える

必要に応じて外科手術の際に固定したプレートを、歯列矯正が完了した半年経過後に除去しなければいけない場合もあります。

また術前矯正を行わず、最初から手術を行う「サージェリーファースト」という治療もあります。
保険適用外なので治療費は高額になりますが、治療期間をかなり短縮できる方法もあります。

代表的な手術方法

手術のイメージ画像

全ての治療は口腔内から治療を行うので、傷が残ることはありません。
しかし手術には1~2週間ほどの入院期間になるので、お仕事や学校など長期間の確保が必要になります。

主な手術は3つあり、以下の通りです。

1.下顎枝矢状分割法

奥歯の奥とエラ部分の骨を切り、下顎を全体的に後方に移動させます。

2.下顎枝垂直骨切り術

エラ部分を縦に切り、下顎を後方に下げたり左右に調整できるので、顔の歪みや顎変形症なども改善できます。

3.下顎前歯部歯槽骨切り術

下顎の4番目の歯を抜歯、さらに抜いた部分の骨も取り除き、開いたスペースに前歯部を下げてプレートで固定します。

受け口の手術によるリスク

リスクのイメージ画像

実際に受け口の手術中は全身麻酔下で行うので、痛みやつらさは感じることはありません。
しかし手術に対してのリスクが全くないわけではないので、手術を受ける前にリスクを確認しましょう。

1.全身麻酔後の合併症

手術を安全に行うため、痛みや不安を取り除くための医療行為として全身麻酔を行いますが、全身麻酔に伴うリスクはゼロではありません。
全身麻酔を行うと自発的な呼吸が出来なくなるので、人工呼吸を行う必要があります。
この際、気道確保や人工呼吸のトラブルが起きてしまうと命に関わります。
肥満や開口障害のある方、普段いびきがひどい方、全身疾患を患っている方はリスクが高くなります。

さらに麻酔中に脳梗塞が生じた場合、麻酔が覚めてから手足のしびれが残ることがあります。
軽度ですが比較的なりやすい合併症は、吐き気・頭痛・悪寒など体調に問題が出ることあり、人工呼吸器による歯や口唇の損傷、喉の違和感などが起こり得ます。

合併症は麻酔が覚めてからでないとわからないため、医師や看護師も注意深く様子を確認していますが、ご家族の方と来られた方が安心でしょう。

2.入院が必要

入院期間は病院や術後の状態によって異なりますが、大体手術の前日から1~2週間程度の入院が多いです。
術後は口を開くことが困難であるためしばらく流動食をとり、普通のお食事ができるようになるには1か月以上経過してからになります。
その間学校やお仕事の休暇を取得する必要があるので、計画性が重要です。

3.ダウンタイムがある

術後に傷口が目立つことはありませんが、顎骨を大きく削るので内出血や腫れが出ます。
2週間ほどダウンタイムが必要になるので、入院期間も含めると約1か月安静にしなければなりません。
すぐに元の日常に戻れるわけではなく、痛みはなくなったが口の開けづらさや腫れている感覚が残る場合もあります。

また痺れや感覚麻痺の後遺症が1年程続く可能性もあります。
1年以内に改善することがほとんどですが、しばらく会話やお食事・日常生活に支障が出ることも考えられます。
長期間の休暇は困難な場合もあると思いますが、ご自身の体調と歯科医師の指示を受けながら再開のタイミングを判断しましょう。

4.手術に対する不安

手術を行うにあたって手術前の不安や恐怖を抱き、食欲が落ちたり不眠が続いたり、精神的ストレスに感じやすいです。
不安を完全になくすことは難しいですが、数か所の病院へカウンセリングを受けに行き、病院選びを妥協せずに行うことがポイントです。

手術中だけではなく長期間の入院のことも含めて、病院の雰囲気や歯科医師・看護師などスタッフとのコミュニケーションがあり、信頼関係を築けるかどうかも安心材料に繋がります。
まずは安心できる環境を作ることが重要なので、納得できる病院を選びましょう。

5.治療費が高くなる

「顎変形症」と診断された場合は保険適用になり、高額医療費制度の対象になるので治療費を安く抑えることができます。
しかし保険適用ではない場合は矯正治療、入院・手術代で150万円ほどかかり、保険適用外の「サージェリーファースト」では約300万円かかります。
高額な費用の負担や手術の前後にはリスクを伴う治療にはなるので、簡単に決断することは難しいと思います。

しかし受け口は噛み合わせに問題があるので、治療せずに放置しておくことは大変危険です。
噛み合わせが本来と反対なので、お食事をしっかり奥歯で噛めず体調が悪くなりやすく、顎関節に負担がかかるので、顎関節症のリスク、虫歯や歯周病に罹患しやすく歯の喪失する可能性が高くなります。

また肩こりや頭痛、腰痛などの不調にも繋がり、生涯の医療費の負担が大きくなることが分かっています。
治療へ踏み込む勇気がないかもしれませんが、見た目や発音など改善される部分は多く、人生が大きく変化します。
まずはカウンセリングを受けて歯列矯正だけで改善できるのか、手術が必要なのかを確認しましょう。
受け口でお悩みの方はいつでもお気軽にお問合せください。
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