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噛み合わせが深い(過蓋咬合)の原因と治し方


過蓋咬合(ディープバイト)のイラスト

こんにちは。難波矯正歯科です。

奥歯を噛みしめたときに、下の前歯に上の前歯が覆いかぶさってしまう歯並びのことを「過蓋咬合(かがいこうごう)」とよびます。
「ディープバイト」とよばれることもあり、噛むたびに下の前歯で上の歯の裏側の歯ぐきを噛んでしまう方もいらっしゃいます。
平成23(2011)年に行われた「歯科疾患実態調査」によると、12歳〜20歳の男女の前歯の不正咬合のうち4.8%が「過蓋咬合」でした。
※参考:厚生労働省eヘルスネット「不正咬合の種類と実態」より

歯列の凸凹や出っ歯にくらべると少ない歯並びではありますが、そのままにしているとお口のトラブルの原因となる可能性があります。
ここでは、過蓋咬合の原因と治し方についてお話しします。

過蓋咬合になる3つの原因

歯の形をした積み木と虫眼鏡

過蓋咬合になるのにはいくつかの原因が考えられます。

1.上顎の過成長

上顎が下の顎とくらべて成長しすぎると、上の前歯が下の前歯を覆うようになります。
前歯同士がかみ合わないため、上の前歯が伸びてしまい、かみ合わせがどんどん深くなります。
遺伝的に顎の骨が大きく成長する場合もありますが、日常的なクセや習慣によって上顎の成長を促してしまうこともありますので、指しゃぶり舌で前歯を押すクセがある方は注意が必要です。

2.下顎の劣成長

反対に、下顎が平均値よりも成長しない場合も、上の前歯が下の前歯を覆う原因となります。
上顎の過成長と同様に、遺伝的な要因日常的なクセも原因となりますが、アレルギー咽頭扁桃腺肥大(アデノイド)による影響で口呼吸を行っていることが原因となっているケースもあります。

3.奥歯の位置

歯ぎしりや食いしばりが習慣になっていると、奥歯がすり減ります。
奥歯の位置が低くなると、かみ合わせが深くなり、過蓋咬合につながるのです。
また、奥歯の乳歯をむし歯などで早く失った場合も、奥歯の位置が低くなる傾向にあります。

過蓋咬合をそのままにしているとどうなる?

悩み考え事をする女性

過蓋咬合をそのままにしていると、お口だけでなく全身に影響を及ぼします。

顎関節症を引き起こす

過蓋咬合の場合、かみ合わせが深くなっているため、顎の動きが制限されて、噛むたびに顎の骨やお口周りの筋肉に負担がかかります。
顎関節症を発症すると、

  • お口が開けにくい
  • 噛むたびに顎関節が痛む
  • 顎関節から音が鳴る

といった症状があらわれ、日常生活に支障をきたす恐れがあります。

歯がすり減る

かみ合わせが深くなっていると、噛む際に上下の奥歯同士が強く当たることになります。
この状態が長期化すると、奥歯がすり減る恐れがあります。
奥歯に銀歯やブリッジなどの被せ物がある場合は、被せ物が欠けたり外れやすくなったりすることも。

奥歯がすり減ると、さらにかみ合わせが深くなり、過蓋咬合がさらに進行することになりかねません。
また、歯がすり減ることで、むし歯になりやすくなったり、知覚過敏の症状が出たりすることもあります。

歯ぐきを傷つける

かみ合わせの状態によっては、下の前歯が上の前歯の裏の歯ぐきに当たることがあります。
歯ぐきに歯が当たることで、歯ぐきが傷ついて歯ぐきの腫れや炎症を引き起こす恐れがあるのです。
歯ぐきが炎症することで、細菌感染のリスクが高まることから歯周病にかかりやすくなります。
炎症が歯槽骨にまで広がると、重度の歯周病になる可能性もあります。

お口の機能が低下する

かみ合わせが深い状態では、前歯で咀嚼(そしゃく)することができません。
前歯で噛むことができないと、食べものを咀嚼せずに飲み込むことになり、胃や腸への負担がかかります。
また、下顎の動きが制限されるので、発音に問題が出ることもあります。
思うように発音できない状態では、人とのコミュニケーションが取りにくくなったり、人前で話すのを避けるようになったりすることもあるでしょう。

口が閉じにくくなる

過蓋咬合の状態では、お口をしっかりと閉じることが難しいでしょう。
お口が開いていると、お口の中が乾燥し、細菌が増殖しやすい環境が整います。
そのため、むし歯や歯周病にかかりやすくなったり、口臭がきつくなったりするのです。
また、過蓋咬合の方は口呼吸になりやすく、口呼吸をしていると過蓋咬合が悪化するといった悪循環に陥ります。

目立つようになる

過蓋咬合は程度にもよりますが、前の歯が出ている「出っ歯」や歯列が凸凹になっている「叢生(そうせい)」のように見た目にすぐわかる不正咬合ではありません。
上の歯がまっすぐに並んでいれば、ご本人や周りにいるご家族ですら気づかないこともあります。

ただし、かみ合わせが深くなって下の前歯が上の前歯を押している状態が長く続くと、上の前歯が前に突出してきて「出っ歯」になる可能性が高いといえます。
また、笑う際に歯ぐきが多く見える「ガミースマイル」になることもあるのです。

過蓋咬合の治し方

表側矯正のイメージ画像

過蓋咬合は矯正治療で治すことが可能です。

・ワイヤー矯正

歯の表側又は裏側にブラケットとよばれる矯正装置を取り付けて、ブラケットにワイヤーを通して歯を動かす方法です。
歯を歯ぐきより下に押し込む「圧下」という動きが必要な場合に適しています。
特に、歯の裏側に装置を付ける「裏側矯正」では、前歯を後ろに引き込む動きを得意としています。
【難波矯正歯科の治療内容】
▶︎表側矯正について
▶︎裏側矯正(舌側矯正)について

さらに、歯科矯正用アンカースクリューを使うことで、より効率的に治療を進めることが可能です。
歯科矯正用アンカースクリューとは、歯科治療で使用される小さなチタン製のネジです。
通常のワイヤー矯正治療では、奥歯を固定源にするケースがほとんどですが、その場合、前歯を引き込む際に、反対の力が働き奥歯が前に引っ張られてしまうことがあります。
そこで、矯正治療期間中だけ、歯科矯正用アンカースクリューをお口の中に設置し、歯を引き込む際の支点とします。
歯科矯正用アンカースクリューは顎の骨に固定されているので動くことはありません。

・マウスピース型矯正

透明なマウスピース型矯正装置を使って歯を動かす方法です。
マウスピース型矯正装置を使った矯正治療は、歯を傾けて動かす動きを得意としています。
過蓋咬合の場合は、上の前歯を内側に傾けて奥歯を引き込むことで、かみ合わせを整えることが可能です。
より効果を高めるために、歯の表面にアタッチメントをつけることもあります。
また、マウスピース型矯正装置を使った治療だけでは治療が難しいと判断した場合は、ほかの矯正治療と組み合わせて行うこともあります。

・外科矯正

上顎や下顎の骨格の形や位置に問題があって過蓋咬合になっている場合は、外科矯正をご提案することがあります。
当院では、外科手術を先に行いその後に歯列矯正を行う「サージェリーファースト」とういう方法で治療を行います。

過蓋咬合の治療を希望する方は「難波矯正歯科」にご相談ください

難波矯正歯科のロゴ

過蓋咬合は遺伝的な要因だけでなく、日常的なクセや習慣などが原因で悪化することもあります。
悪化させないためにも、顎が成長する時期にしっかりと顎の成長をサポートすることが大切です。

下顎の成長を促進するためには、

  • 硬いものをしっかりと噛んで下顎を鍛える
  • 指しゃぶりや頬杖、舌で歯を押すクセなどは改善する
  • むし歯は早期に治す
  • 歯ぎしりや食いしばりの症状を緩和する
  • 歯が抜けたままにしない

といったことを心がけましょう。

「難波矯正歯科」では患者さんのご要望をおうかがいし、お一人おひとりに合う治療をご提案します。
当院は、南海線難波駅から徒歩3分のところにあり、お仕事の帰りやお買い物の途中などに立ち寄りやすい矯正歯科です。
歯並びで気になることがあれば、できるだけ早くご相談ください。
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※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。
※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。

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