「矯正器具が当たって口腔内が切れた」
「放っておいても大丈夫？病院に行った方がいい？」

このような経験や疑問はありませんか？
歯科矯正中、特にワイヤー矯正では、器具が原因で口腔内が切れてしまうことがあります。しかし、適切な対処法を知っていれば痛みや不安を軽減することができます。
そこで本記事では、矯正器具で口腔内が切れる原因、具体的な対処法、受診すべきケース、そしてよくある質問と回答について解説します。

歯科矯正中に口腔内が切れるのはよくあること？

矯正器具が原因で口腔内が切れるのは珍しくありません。特に、ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが直接粘膜に触れるため、口腔内が切れやすい傾向があります。
最近主流のマウスピース矯正でも油断は禁物です。マウスピースの縁が歯茎に食い込んだり、お口の動きによっては粘膜を刺激してしまうことがあるからです。大切なのはそれぞれ装置の特徴を理解し、適切なケアを行うこと。そして万が一、口腔内が切れてしまった場合の対処法を知っておくことです。

歯科矯正の器具で口腔内が切れる原因

口腔内が切れてしまう原因は、矯正器具が直接的な原因となる場合と、そうでない場合があります。ここでは、詳しい原因を見ていきましょう。

矯正器具による物理的な刺激

まずは、ブラケットやワイヤーなどによって、口腔内の粘膜を直接傷つけてしまうケース。
特に装着直後や調整後など、器具の角や縁が粘膜に擦れて傷になることがあります。また、矯正が進むにつれて、ワイヤーが想定外の方向に伸びて、頬や舌に刺さってしまうことも。それに加えて、強い力が加わることにより装置が壊れたり変形すると、鋭利な部分ができて粘膜を傷つける可能性があります。

その他の要因

器具以外にも、口腔内が切れやすくなる原因があります。その一つが、粘膜の乾燥です。口呼吸の方で口腔内が乾燥しやすい環境は、粘膜が乾燥して傷つきやすくなります。
さらに疲労やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下すると、粘膜の修復機能が弱まり、小さな刺激でも傷つきやすくなることも。矯正器具の刺激が原因で粘膜に傷がつくと口内炎に発展することも。口内炎ができると、さらに痛みが増し、傷の治りも遅くなってしまうことがあります。周辺の粘膜も炎症を起こし、デリケートな状態になるため、ちょっとした刺激でも傷つきやすくなるのです。

歯科矯正の器具で口腔内が切れたときの対処法

「口腔内が切れた」そんな時、どうすればいいのでしょうか？落ち着いて、以下の手順で対処してみましょう。

まずは、お口腔内を清潔に

傷口に細菌が繁殖しないように、まずは丁寧にうがいをしましょう。

出血がある場合は止血を

清潔なガーゼやティッシュで傷口を軽く圧迫して止血しましょう。なかなか血が止まらない場合は、歯科医院に連絡してください。

痛みを和らげる応急処置

痛みがある場合は、以下の応急処置を検討しましょう。

矯正用ワックスの活用

口腔内の痛みには、矯正用ワックスが強い味方になります。清潔な手で小豆大くらいのワックスを丸め、チクチクと当たる器具の尖った部分に優しく押し当てて覆いましょう。ワックスは、食事前や就寝前には忘れずに取り外してください。
万が一、ワックスを飲み込んでしまっても基本的には心配ありません。体内で消化されずに排出されます。

市販薬の活用

痛みが気になる場合は、市販の口内炎パッチや軟膏も効果的です。ドラッグストアなどで薬剤師さんに相談して、ご自身の症状に合ったものを選んでもらうと安心です。使用する際は説明書をよく読み、用法・用量を守って正しく使用してください。

食事を工夫する

お口が敏感になっている間は、食事にも少し気を配りましょう。香辛料たっぷりの刺激物、硬くて噛み切りにくいもの、熱々の食べ物は、刺激になる可能性があります。できるだけ柔らかくて消化が良い、ぬるめの食事を選ぶようにすると、お口への負担を減らすことができます。

歯科医院を受診するべきケース

口腔内が切れても痛みや出血がなければ「この程度なら大丈夫」と自己判断してしまいがち。しかし、歯科医院を受診した方が良いケースがあります。

痛みが長引く場合

応急処置をしても痛みが引かない、または徐々に強くなっていく場合は、炎症や感染の恐れがあります。特に、夜も眠れないほどの痛みがある場合は、迷わず歯科医院を受診しましょう。

出血が止まらない場合

ガーゼなどで圧迫止血をしても、なかなか血が止まらない場合は、止血処置が必要です。特に、大量の出血がある場合は、すぐに歯科医院に連絡してください。

口内炎が悪化した場合

口内炎が広がる、痛みが強くなる、発熱などの症状が現れた場合は、細菌感染を起こしている可能性があります。市販薬で改善が見られない場合は、歯科医院で適切な治療を受けましょう。

装置の破損や脱落がある場合

ブラケットが外れた、ワイヤーが折れた、マウスピースが割れたなどの場合は、速やかに歯科医院に連絡し、指示を仰ぎましょう。放置すると矯正治療の計画に狂いが生じたり、他の部位を傷つけてしまう可能性があります。

その他、気になる症状がある場合

上記以外にも、「何かいつもと違う」「違和感がある」と感じたら、遠慮せずに歯科医師に相談しましょう。

当院はトータルフィーシステムを導入しており、急な痛みにも対応しております。
料金は下記からご確認ください。
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歯科矯正の器具で口腔内が切れたときのよくある質問

矯正治療中に口腔内が切れてしまったときの、よくある質問とその回答をまとめました。

Q.矯正用ワックスはどこで手に入れることができますか？

A.矯正歯科医院やオンラインショップでも購入できます。矯正歯科で販売されているものは歯科医が推奨する品質の良いものが多いので、まずは相談してみるのがおすすめです。

Q.ワックスは、どのくらいの頻度で交換すれば良いのでしょうか？

A.ワックスが汚れたり、剥がれてきたりしたら交換しましょう。食事のたびに取り替えるのが理想ですが、難しい場合は、1日に数回を目安に交換してください。

Q.口内炎パッチを貼ったまま食事をしても問題ありませんか？

A.製品によって異なります。説明書をよく読んで、指示に従ってください。剥がれやすい場合は、食後に新しいものに貼り替えるのがおすすめです。

Q.矯正中に口腔内が切れるのは、いつまで続くのでしょうか？

A.矯正器具に慣れるまでの数週間～数ヶ月間は、口腔内が切れやすい状態が続くことがあります。しかし、適切なケアを行い、器具の調整を重ねることで、徐々に改善していきます。痛みが長引く場合は、我慢せずに歯科医師に相談してください。

まとめ

歯科矯正中、特にワイヤー矯正は、器具が原因で口腔内が切れることは珍しくありません。マウスピース矯正でも縁が歯茎に当たるなどして、口腔内が切れることがあります。主な原因は、矯正器具による物理的な刺激や、口腔内の乾燥、免疫力の低下などです。
口腔内が切れた場合は、傷口を清潔な水でよく洗い清潔にしましょう。出血がある場合は止血します。痛みがある場合は、矯正用ワックスや市販薬を活用し、食事にも気を配りましょう。
ただし、痛みが長引く、出血が止まらない、口内炎が悪化する、装置の破損や脱落がある、などの場合は、速やかに歯科医院を受診しましょう。
歯科矯正中の口腔内のトラブルは早めの対処が大切です。不安なことや気になる症状がある場合は、遠慮せずに歯科医師に相談しましょう。当院では随時矯正相談を実施していますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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