こんにちは。難波矯正歯科です。
「前歯の間にすき間があいている」という方は、鏡を見るたびに気になってしまいますよね。人前でお口を開けて笑うことに躊躇(ちゅうちょ)してしまい、手で口元を隠してしまうこともあるかもしれません。
歯と歯の間にすき間がある「すきっ歯」は、正式名称を「空隙歯列(くうげきしれつ)」といいます。
厚生労働省の調査によると、12歳〜20歳の前歯の不正咬合として12.4%の方が当てはまる歯並びです。
参照:厚生労働省e-ヘルスネット「不正咬合の種類と実態」
不正咬合の種類と実態
すきっ歯は、「もともと歯の間があいていた」という方もいらっしゃれば、「最近、気づいたらすきっ歯になっていた」という方もいらっしゃいます。
また、すきっ歯は前歯にすき間があるので「目立ちやすい」といった見た目の問題もありますが、身体の健康にも影響を及ぼす恐れもあるのです。
今回は、すきっ歯の原因や放置するリスク、そして治療方法についてご紹介します。
目次
すきっ歯の原因は「生まれつき」「習慣」「歯のトラブル」の3つ
すきっ歯の原因といわれるものには、以下の3つが考えられます。
「生まれつき」によるすきっ歯
すきっ歯は、生まれつきによる遺伝的な要素が大きく関わっています。
ご家族にすきっ歯の方がいる場合、同じような歯並びになる可能性が高いといえるでしょう。
歯と顎の大きさのバランスが悪い
歯が小さくて顎が大きいなど、歯と顎の大きさのバランスが悪い場合、歯と歯の間にすき間ができやすくなります。
歯の本数が少ない
通常、乳歯は20本、永久歯は28本(親知らずを含めると32本)です。
けれども、生まれつき歯の本数が足りない方もいらっしゃいます。
これを「先天性欠損」といい、親知らずを除く永久歯の先天性欠如者は10.09%といわれています。
参照:J-STAGE 小児歯科学雑誌「日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査」
日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査
上唇小帯が前歯の隙間に入り込んでいる
上唇小帯(じょうしんしょうたい)とは、上唇の内側と歯ぐきをつなぐ筋のことをさします。この筋が通常よりも太く、前歯のすき間に入り込んでいる場合、前歯がきれいに並ばずすきっ歯になることがあります。
「日常的な習慣」によるすきっ歯
日常的な習慣によって、少しずつすきっ歯になることもあります。
指しゃぶり
乳幼児期から幼少期にかけて長期間にわたって指しゃぶりを続けると、歯並びやかみ合わせに影響を与えることがあります。指しゃぶりをすると前歯が指に押し付けられて継続的に力がかかり続け、前歯を前方に押し出してしまうのです。
その結果、上の前歯が外側に傾き前歯の間にすき間ができ、すきっ歯になることがあります。
舌を前に押し出すクセ
舌を前に押し出すクセを「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」といいます。
舌を前方に押し出す動作を繰り返すと、前歯に持続的な圧力がかかり、上の前歯が前方に押し出され、歯と歯の間にすき間ができることがあるのです。
下唇を噛むクセ
下唇を噛むクセがあると、常に上の前歯に下唇を押し付けることになります。
この繰り返される力によって、上の前歯が外側に押し出され、歯と歯の間にすき間ができやすくなります。
歯ぎしり
歯ぎしりは、歯に強い力をかけるため、歯の摩耗やかみ合わせの乱れ、歯の移動などを引き起こすことがあります。
特に、前歯に圧力が集中すると、歯が少しずつ動き、すき間が生じることがあります。
「歯のトラブル」によるすきっ歯
「生まれつき」によるものや「日常的な習慣」によるもの以外にも、以下のような「歯のトラブル」ですきっ歯になることがあります。
歯周病
歯周病は、細菌による炎症で歯ぐきが赤く腫れる病気です。
進行すると、歯ぐきや歯を支えている顎の骨が徐々に溶け、歯がぐらぐらと動きやすくなります。歯を支える骨が弱くなることで歯が移動し、歯と歯のあいだにすき間が生じて、すきっ歯になることがあります。
特に大人になってから歯のすき間が広がってきたと感じる方は、歯周病の疑いもあるので注意が必要です。
加齢による歯ぐきの退縮
歯ぐきが下がって歯の根が露出することを「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」といいます。歯ぐきは、加齢や歯周病などによって下がります。
歯ぐきが下がることで歯と歯の間に見えるすき間が大きくなり、すきっ歯が目立ちやすくなるのです。
奥歯の欠損
奥歯は、食べ物を咀嚼(そしゃく)する際に重要な役割を果たします。
むし歯や歯周病・ケガなどが原因で奥歯が抜けることで、かみ合わせのバランスが崩れ、前歯に過剰な力がかかることになります。
この力が長期間続くと、前歯が移動してすき間ができやすくなるのです。
すきっ歯を放置するリスク
すきっ歯は、前歯にすき間があることで前歯で食べものをしっかり噛み切ることができなくなります。
その影響で、すきっ歯をそのままにしていると身体全体の健康にも影響を与える恐れがあります。
むし歯や歯周病のリスクが高くなる
歯と歯の間のすき間に食べものの残りカスや汚れが溜まりやすくなり、むし歯や歯周病の原因となる細菌が増殖しやすい環境になります。
発音に支障が出ることがある
歯にすき間があることで、特定の音を発音しにくくなることがあります。
特に「サ行」の音が出しづらくなるといわれています。
消化器官に負担がかかる可能性がある
しっかり咀嚼(そしゃく)することが難しいため、十分に嚙み砕く前に飲み込んでしまい、消化器官に負担がかかることにつながります。
すきっ歯の治療方法
すきっ歯を治す一般的な治療法は歯列矯正ですが、歯と歯の間のすき間が小さい場合、セラミックを使った審美治療で前歯を整える方法もあります。
ただしセラミックはご自身の歯が小さく削られるリスクを伴います。
ここでは、ご自身の歯を残すことができ更にすきっ歯の治療におすすめの歯列矯正である「ワイヤー矯正」と「マウスピース型矯正装置」について説明します。
歯列矯正
ブラケットやマウスピース型矯正装置を使って、歯をゆっくりと移動させてすき間を閉じる治療法です。
前歯のみの治療の場合は、治療期間が短く費用を抑えることができる「部分矯正」で口元を整えられる可能性もあります。
ただ、部分矯正ではかみ合わせまで整えることは難しいため、どのような治療が合っているかは検査を行ってから決定しましょう。
マウスピース型矯正装置
透明のマウスピースを歯に装着して、理想とする位置まで歯を動かす治療法です。
近づかないと気づかれないほど目立ちにくいのが特徴で、治療をしていることを周りの人に知られたくない方におすすめです。
食事や歯磨きのときには外せるので、ストレスを抑えて歯列矯正を行うことができます。お口の状態によっては、適応できないこともありますので、まずはご相談ください。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットといわれる装置を取り付け、ワイヤーを通して力を調節することで歯並びやかみ合わせを整える治療法です。
歯列矯正の中でも歴史が長く、ほとんどの歯並びに対応できます。装置が目立ちやすいといったデメリットもありますが、白く目立ちにくい装置なども選んでいただけます。
また、人前に出るお仕事をされている方など装置を人に見られたくない場合は、歯の裏側に装置を取りつける「裏側矯正(舌側矯正)」を選択することも可能です。
見た目だけの問題じゃない~すきっ歯のご相談は難波矯正歯科まで~
すきっ歯は、見た目の問題だけでなく、お口の中や身体全体の健康にも悪影響を与える可能性があります。
そのままにしていると、かみ合わせの不具合やむし歯や歯周病のリスクが高くなることもあるため、早めに歯科医師に相談しましょう。
難波駅から徒歩3分の「難波矯正歯科」では、患者さんに合った治療法をご提案いたします。
お一人おひとりにあった方法で美しい歯並びとかみ合わせをめざしますので、すきっ歯のご相談は当院までご来院ください。
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※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。