受け口は、下顎が上顎より前に出ている状態ですが、軽度の方から重度の方まで症状はさまざまです。
そのため、受け口の治療はかみ合わせや歯並びを改善する矯正治療と顎の骨の外科手術を伴う治療があります。
そこで今回は、受け口の治療で全身麻酔をする場合があるかについてお話します。
顎変形症の場合には外科手術が必要な場合も
受け口にもさまざまな症状があり、軽度の場合で下の前歯が外側を向いているだけでは歯並びを改善する矯正治療で対応ができます。
しかし、上下のあごの骨格的なバランスに問題がある場合には歯並びの治療だけだと、受け口の改善が難しく、外科手術が必要な場合もあります。
下顎の位置が前方に出ている、上顎が小さい、下顎が大きいなどの骨格的なバランスの不具合の時には、顎の骨を外科手術する必要があります。
患者さまの症状にもよりますが、手術前と手術後に矯正を行い、かみ合わせなどのバランスも整えていきます。
手術の際には顎の骨を切除したりするため、全身麻酔をかけて行い、1週間程度入院が必要なケースが多くなります。
事前の精密検査から術前矯正、術後矯正などを含めると4~5年の期間がかかるケースが多くなります。
そのほかの受け口の治療
ワイヤー矯正
一般的に広く行われている矯正方法で、歯の表面に「ブラケット」をいう装置をつけて「ワイヤー」を通して、適切な力をかけて歯を少しずつ動かしていきます。
以前は金属の装置のイメージが強い方も多いかと思いますが、最近は矯正中の見た目にも配慮がされていて、透明や白のブラケットやワイヤーがあり、見た目が分かりにくくなっています。
また、裏側矯正もあり、装置が歯の裏側につくため、矯正していることがほとんど分かりません。
そして、ワイヤー矯正は幅広い歯並びに対応しているので、ほとんどの方が治療できます。
ただし、装置に汚れが着きやすい点や歯磨きがしにくいなどのデメリットもあります。
マウスピース矯正
患者さまおお口にぴったり合ったマウスピースを製作し、段階的に形の違うマウスピースに交換して、少しずつ歯を動かす方法です。
自分で取り外しができるため、食事や歯磨きを今まで通り行うことができ、負担が少ない矯正方法になります。
また、透明のマウスピースで歯を動かすため、矯正中でもほとんど見た目が分かりません。
しかし、決められた時間(20~22時間程度)装着しないと、治療計画通りに歯が動かない可能性があります。
取り外しの際の清掃や食事や歯磨きの後にきちんとはめることなど、ご自分で自己管理する必要があります。
まとめ
重度の受け口の治療は、顎の骨のバランスを変える必要があり、外科手術を伴う時には全身麻酔を行うこともあります。
設備の整った病院で、1週間程度入院も必要になるため、手術期間安静にします。
また、軽度の受け口の場合には、歯並びを改善する矯正で対応ができるケースもあります。
前歯のかみ合わせがきちんと整うと、見た目の改善はもちろん、食事の際にきちんと噛みきれるため、生活の質も上がります。
当院では受け口の方の治療も対応していますので、受け口が気になっている方はお気軽にご相談ください。