こんにちは。難波矯正歯科です。
歯が重なり合っていて、歯列がでこぼこしていている状態を「乱杭歯(らんぐいば)」とよびます。専門的には、「叢生(そうせい)」とよばれる不正咬合(ふせいこうごう)で、八重歯(やえば)も乱杭歯のひとつです。
日本人に多い歯並びで、2011年(平成23年)の歯科疾患実態調査によると、12〜20歳の男女の前歯の不正咬合の40%をしめています。
参考:厚生労働省eヘルスネット「不正咬合の種類と実態」より
歯列が凸凹していると、見た目だけでなく機能面や健康面でも、さまざまな問題の原因となる恐れがあります。
乱杭歯は、矯正治療で治すことが可能です。
ここでは、「乱杭歯を矯正治療でどこまで治せるか」についてお話しします。
目次
乱杭歯は矯正治療で改善できます
乱杭歯を治す方法はひとつではありません。
当院では、
・表側矯正
・裏側(舌側)矯正
・マウスピース型矯正装置を使った矯正
などの治療の選択肢をご用意しています。
表側矯正と裏側矯正では、ブラケットとワイヤーを使用します。
歯の表面にブラケットを取り付けて、ブラケットの溝にワイヤーを通して歯に力を加えて歯列を整える矯正治療です。裏側矯正(舌側矯正)では、歯の裏側に矯正装置を取り付けるため、表側矯正よりも目立ちにくいとされています。
マウスピース型矯正装置を使った矯正治療では、マウスピース型矯正装置を装着することで少しずつ歯に力を加えて歯列を整えます。マウスピース型矯正装置は装着していても目立ちにくいだけでなく、簡単に取り外しができるため、治療前と変わらない生活を続けやすい治療方法です。
ひとことに乱杭歯といっても、程度や状態はお一人おひとりで異なります。歯並びによっては治療方法が限定される場合があり、歯がキレイに並ぶだけのスペースがない場合は、抜歯が必要になる場合もあります。治療にかかる期間は歯並びの状態によって異なりますが、乱杭歯は矯正治療でキレイに治せるケースがほとんどです。
乱杭歯になる原因
日本人に乱杭歯が多いのはどうしてでしょうか。
乱杭歯になるおもな原因は、スペース不足です。顎のサイズに対して歯が大きい場合や、歯のサイズに対して顎が小さい場合、すべての歯がキレイに並ぶスペースを確保することができません。
スペースが不足することで、重なるように生えて、歯並びが凸凹になるのです。日本人は、全体的に顎が小さいため乱杭歯になる方が多いとされています。
乱杭歯になる要因の中で、
・顎のサイズ
・歯の大きさ
は両親に似る傾向にあり、生まれ持った要因といえるでしょう。また、歯の数が多いことが原因で、乱杭歯となる場合もあります。
一般的な歯の数は永久歯は28本、親知らず4本を含めると計32本ですが、通常よりも歯の数が多い「過剰歯(かじょうし)」になると、すべての歯がキレイに並ぶスペースが確保できなくなって歯並びが乱れる傾向にあります。
過剰歯の中には、歯ぐきや顎の骨の中で横向きになった状態で埋まっているタイプもあり、見えていない過剰歯が乱杭歯の原因となっていることもあるのです。
一方、舌の使い方のクセや位置が、乱杭歯と関係している場合もあります。
舌は、上の歯の少し後ろの膨らみがある箇所に位置するのが通常ですが、舌の筋肉が低下すると、舌先を安定させることが難しくなり、舌の位置が下がります。
舌の位置が下がってしまうと、
・舌で前歯を押す
・歯で舌を噛む
・舌を出す
といった舌のクセにつながり、歯並びに影響を与えるのです。
また、
・唇を噛む
・お口がポカンと開いている
・指を吸う
・爪を噛む
といったクセも、乱杭歯の原因になることがあります。
このようなクセがあると、矯正治療で歯並びを整えても、もとに戻ってしまう可能性がありますので、早期の改善が求められます。
乱杭歯をそのままにしているとどうなる?
乱杭歯をそのままにしていると、次のようなリスクが高まります。
むし歯や歯周病になりやすい
乱杭歯は歯列が凸凹しているため歯磨きが難しく、磨き残しが多くなる歯並びです。
磨き残しが多くなれば、むし歯や歯周病になる可能性は高くなります。
また、上下の歯がバランスよくかみ合っていないと、一部の歯に負担がかかります。
過度に負担がかかると、歯周病の進行を早めることにもなるため注意が必要です。
むし歯や歯周病は、重症化すると歯を失う原因となります。
大切な歯を守るためには、むし歯や歯周病になりにくいお口を作ることが大切です。
矯正治療には、むし歯や歯周病、口臭などお口のトラブルを予防する効果も期待できます。
口内炎ができやすい
さまざまな方向に歯が生えている乱杭歯では、お口の中の粘膜と歯の距離が近くなり、咀嚼(そしゃく)の際に、膜や唇の端を噛んでしまうことがあります。
噛んだ部分には、傷ができます。
傷口から細菌が侵入すると炎症が起きて「口内炎」となるのです。
口内炎となった部分を再び噛んでしまうリスクも高く、何度も繰り返して症状が悪化することもあります。
しっかりと噛めない
前歯がガタガタしていると、硬いものを前歯でかみ切ることができません。
また、奥歯がねじれていると、上下の歯で食べものを細かくすりつぶすことが難しくなり、しっかりと噛み砕かない状態で飲み込むことになります。
そうなると、胃や腸への負担が大きくなり、全身の健康状態にも影響をおよぼします。
やわらかいものばかりを選んで食べるようになると、栄養にも偏りが出て、体力面の衰えにつながる恐れもあるのです。
顎関節症になりやすい
乱杭歯では、上下の歯がしっかりとかみ合っていないケースが多く見られます。
かみ合わせに問題があると、顎関節に大きな負担がかかるため、そのままにしていると「顎関節症」の症状があらわれるリスクが高いといえます。
顎関節症になると、日常生活に支障をきたすことになりかねません。
また、悪化すると外科手術が必要となる場合もあるため、注意が必要です。
見た目の印象が悪くなる
乱杭歯は目立ちやすいため、口元が気になって大きく口を開けられないという方もいらっしゃいます。
手で口元を隠したり、思いきり笑えなかったりすると、精神的なストレスとなることもあり、社会生活に影響をおよぼしかねません。
矯正治療で口元のお悩みが解消されると、コミュニケーションが円滑になり、お仕事や人間関係にもよい影響がでることもあります。
乱杭歯にお悩みの方は「難波矯正歯科」にご相談ください
乱杭歯は、歯列矯正によって美しい歯並びをめざすことができます。
難波矯正歯科は裏側矯正専門医院として、見えない方法で歯並びをきれいにしていくことが可能です。カウンセラーによる丁寧なカウンセリングと、精度の高い矯正治療をご提供しています。
診断の結果で骨格的な問題がある場合の外科矯正にも対応可能です。
それぞれの治療のメリットやデメリットをわかりやすくご説明しますので、どの方法を選ぶかを一緒に考えましょう。
自分がどの装置が向いているか、矯正したらどんな感じになるのかを知りたい方はカウンセリングと共に精密検査(有料)もご検討ください。矯正の最初の一歩としてカウンセリング後、精密検査で現在の状況を把握したのちに診断をしていきます。
検査費用はこちらをチェック
難波矯正歯科は、南海難波駅から徒歩3分と駅から近く、お仕事の帰りにも立ち寄りやすいロケーションですので、歯並びや矯正治療に関するお悩みや疑問はどのようなことでもご相談ください。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。
※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。