「自分の歯並びは出っ歯なのかも…」と思ったことはありませんか?出っ歯の状態には基準があり、放置していると天然歯の痛みや損傷など、将来的に悪影響が出る可能性も少なくありません。
この記事では、出っ歯の基準について解説します。自宅でできる出っ歯のセルフチェックのやり方や出っ歯の状態別の治療法などについてもあわせて紹介。
● 自分が出っ歯なのかを知りたい
● 出っ歯で歯列矯正を検討している
といった方は、是非この記事を参考にしてください。
なお、当院の歯列矯正に関してはこちらをお読みください。詳しい治療法や費用などについて記載していますので、チェックしておきましょう。
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目次
出っ歯の基準とは?
そもそも、出っ歯とは上の前歯が前に突き出ている状態のこと。口元が盛り上がっていることから「口ゴボ」とも呼ばれています。
歯並びは、上の前歯が下の前歯より2〜3㎜ほど前に出ている状態が正常な状態と言われていて、それ以上に前歯が出ていると出っ歯と診断されます。なお、出っ歯の基準は大まかに次の3つに分けられます。
● 軽度の出っ歯
● 中度の出っ歯
● 重度の出っ歯
それぞれの出っ歯の状態について詳しく紹介します。
軽度の出っ歯
軽度の状態は、主に歯が原因で出っ歯になっています。前歯の生えている方向や傾きが原因で、奥歯の噛み合わせに問題がない状態。噛み合わせに問題がないため、歯列全体を整えるというより前歯の歯並びだけを整える部分矯正で出っ歯を改善できるケースが多いです。
中度の出っ歯
中度の出っ歯は、下あごの位置が奥歯側にある下顎後退(かがくこうたい)が原因で歯並びが悪い状態。下顎後退の状態は下あごが上あごより後ろ側に位置しているため、口元のバランスが悪く見た目への影響も大きい傾向です。口元が前に出ていて、鼻と同じくらいの高さになっている出っ歯の状態が特徴。また、歯列に収まらず外側に歯が出ていることが多いため、歯と歯茎が乾燥しやすく虫歯や歯周病のリスクが高まります。
重度の出っ歯
重度の出っ歯は、歯と骨格の問題の両方が原因になっている状態。前歯が出ている状態と下顎後退が同時に起きている、いわゆる混合型の出っ歯の場合が多いです。
重度の出っ歯になると、次のような症状が出やすい傾向です。
● 上下の唇を完全に閉じることが難しい
● 力を入れて唇を閉じようとすると口元が歪む
● 前歯で食べ物を噛み切れない
他にも重度の出っ歯の場合には、口を閉じる筋肉である咀嚼筋(そしゃくきん)と口を開ける下唇下制筋肉(かしんかせいきんにく)の動きが悪くなります。口周りの筋肉の動きが正常でないと、食べ物を噛む時に下あごが後ろに引っ張られてしまい、上の前歯がより出るようになります。
上記のように出っ歯の基準は大まかに分けて3つありますが、実際には複数の要因が重なることで、重度の出っ歯になっているケースも少なくありません。
自宅でできる出っ歯のセルフチェック
自分の出っ歯の状態が、軽度〜重度のどれに当てはまるのかは歯科医院で精密な検査を受けないとわかりません。しかし自分が出っ歯なのかは、次に紹介する方法で簡単に確認できます。
● 横顔を見る
● 唇の位置
それぞれについて詳しく紹介します。
横顔を見る
出っ歯の場合には正面からの状態より、横顔から見るとわかりやすい傾向です。特に、Eラインの位置を確認するといいでしょう。
Eラインとは、鼻先と下あごの先端を直線に繋いだラインのこと。このEラインより口先が内側にある状態が理想的とされていますが、この状態は欧米人を対象にしているため、日本人の場合には口先がEラインに触れるくらいの位置にある状態が美しい横顔といわれています。
Eラインより口先が出ている場合には、出っ歯の可能性があります。また、Eラインをセルフチェックする際は、定規や指を当てて確認するやり方がわかりやすくおすすめです。
唇の位置
出っ歯は上あごの前歯が出ていて、唇が閉じにくい状態です。唇をしっかりと閉じられず歯が見えてしまう場合には、出っ歯の可能性が高いです。また、唇を閉じた時の口元のボリュームも確認してください。ボコっと前に突き出ている口元は出っ歯の特徴でもあります。
セルフチェックでは、唇を閉じた時の正面と横顔の唇の位置を確認してみましょう。
出っ歯の治療方法【基準別】
出っ歯の度合いによって、治療法や治療期間などが異なります。ここでは出っ歯の軽度、中度、重度の3つの基準別に治療法を解説します。
軽度の出っ歯の治療法
軽度の出っ歯の場合には、大きく分けて2つの治療法があります。
● 部分矯正
● セラミック矯正(当院対象外)
部分矯正は気になる部分だけに矯正装置を付けて、歯並びの見た目を改善する治療法です。部分矯正の治療法には、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正があります。
ワイヤー矯正は歯にブラケットやワイヤーを付けて、歯を引っ張りながら歯並びをキレイにする方法です。ワイヤー矯正は根の向きを変えたり、丸い歯を回転させたりといった動きが得意で、より細かな調整ができるのがメリット。
特にワイヤー矯正の中でも裏側矯正(舌側矯正)は、出っ歯の治療に適しています。裏側矯正は歯の裏側に装置を付けることで、表側に装置を付けるより唇が前歯を内側に押す力が発生し、より効率的に歯を内側に移動できるためです。
ワイヤー装置を使った部分矯正の治療期間は、3ヶ月〜1年半ほど。治療費は300,000円〜800,000円が相場になります。
その他にもマウスピース型矯正は数十枚のマウスピースを交換しながら、歯並びを整えます。マウスピース型矯正は、軽度の出っ歯の治療が可能です。
治療期間は3ヶ月〜1年半ほどで、治療費は100,000円〜600,000円が相場になります。
いっぽうで、セラミック矯正とは歯を削ってセラミックの被せ物を装着して、歯並びをキレイに仕上げる方法のことです。使用するセラミックは透明感があり、天然歯に近い色合いで自然な仕上がりにできるのが魅力。また一般的な歯を動かす歯列矯正ではなく、歯を削って被せ物をするため2〜3ヶ月の短期間で治療完了できるのがメリットです。
ただ、虫歯になっていない天然歯を大きく削る必要があるのはデメリット。必要によっては、歯の神経を取る処置を行うこともあります。治療費は300,000〜700,000円が相場です。
中度の出っ歯の治療法
中度の出っ歯は歯列矯正だけで、改善する症例も少なくありません。近年では、あごの骨に小さいネジを埋める矯正用アンカースクリューを使用することで、改善できる出っ歯が多くなっています。矯正用アンカースクリューはワイヤー装置と併用することで、前歯を無理なく引っ張って横顔のラインを美しく仕上げられます。
ただ、スクリューを使用することで抜歯をせずに済むケースはありますが、前歯を後ろに下げて歯が並ぶスペースを確保する場合には、抜歯をする可能性があります。
なお、当院の矯正用アンカースクリューの治療について詳細を知りたい方は、こちらもご覧ください。
>>>当院の矯正用アンカースクリューについて
マウスピース型矯正は中度の出っ歯を改善できますが、歯科医院によっては中度の出っ歯に対応できないと判断するケースも少なくありません。なぜならマウスピース型矯正は歯科医師の適切な検査や診断、治療計画が必須なためです。さらに精密検査によって対応可否が分かれる可能性もございます。
なお、当院のマウスピース型矯正は長年矯正治療に携わってきた院長の監修で、治療を行っています。マウスピース型矯正で治療を検討している方は一度、ご相談ください。
>>>マウウスピース型矯正はこちらをチェック
重度の出っ歯の治療法
重度の出っ歯は歯と骨格の両方が原因になっていることがほとんどで、外科矯正が必要になるケースが多い傾向です。外科矯正とはあごの骨の一部を切り取って、正しい位置に噛み合わせやあごを動かす治療法のこと。出っ歯の場合には、上顎前歯部歯槽骨切り術(セットバック術)という外科手術を行うのが一般的。この方法では、歯とあごの骨の一部を取り除いてできたスペースに前歯を引き下げて、あごを正しい位置にすることで出っ歯を改善します。
外科矯正は、出っ歯の見た目を早期に改善できるのがメリット。また、外科手術は口内で行うため、顔に傷が残る心配はありません。
なお当院では、矯正装置を使うより先に外科手術を行うサージェリーファーストという方法を取り入れ、患者さんの負担を軽減する方法を実施。サージェリーファーストの詳しい治療の流れや費用等について興味のある方は、こちらもあわせてお読みください。
>>>サージェリーファーストについて
出っ歯についてよくある質問
ここでは出っ歯について、よくある質問について解説します。
Q軽度の出っ歯は自力で治せますか?
A:軽度の出っ歯は、自力で治すこともできる可能性はあります。
たとえば、前に出ている前歯を外側から指で長期的に押すと、歯が動く可能性も否定できません。しかし自力で歯を押すことで、歯が思っていた位置ではない方向に動いて見た目がさらに悪くなることがあります。その他にも過度な力を歯にかけてしまい、歯の神経が死んでしまう恐れがあります。歯並びを治すには専門的知識と技術が不可欠なため、歯科医院での治療がおすすめです。
Q出っ歯を矯正で治すと輪郭は変わりますか?
A:出っ歯を改善することで、輪郭が変化することがあります。
特に出っ歯の場合は、前に出ている歯や骨格を正しい位置にするため、見た目が大きく改善する可能性が高く輪郭の変化を感じやすいでしょう。
Q出っ歯を放置しているとどうなりますか?
A:出っ歯を放置していると、次のようなリスクがあります。
● 見た目に自信がなくコンプレックスになる
● 虫歯や歯周病になりやすい
● 麺類が前歯で噛み切れない
● 奥歯に負担がかかり、歯の寿命が短くなるなど
出っ歯の放置は上記のようなリスクがあり、早めの治療がおすすめです。
まとめ
自分が出っ歯なのかは、今回紹介したセルフチェックの方法で確認できます。ただ出っ歯がどの基準になるのかは、精密検査を受けないとわかりません。当院ではカウンセリングでお悩みを伺った後に精密検査(有料)を受けて頂くことも可能です。
出っ歯は外見のコンプレックスになりやすく、自分を好きになれないという方も少なくありません。当院でもコンプレックスである出っ歯を改善するだけでなく、理想的な口元に仕上げることも可能です。
カウンセリングはいつでも受け付けています。お気軽にご相談ください。出っ歯を治して、思いっきり笑顔になれる口元を一緒に目指していきましょう。
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