歯列矯正には、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正などいくつかの治療法があります。その中でも、費用を抑えられる表側矯正を検討している方もいると思います。とはいえ、表側矯正は費用を抑えられるぶん、歯並びの仕上がりに違いがでるのでは?と不安に思っている方も少なくありません。
本記事では、表側矯正についてや他の矯正装置と仕上がりの違いについて詳しく解説します。表側矯正について理解を深めて、自分にあった治療法を選択する参考にしてください。
なお、当院での歯列矯正に興味のある方は、下記のページで詳細を確認できます。矯正治療費や矯正治療の流れなどについてあわせてチェックしてください。
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目次
表側矯正はどんな治療法?
表側矯正では、歯の表面にブラケットという装置を付けた上にワイヤーを通して、動かしたい方向に力を加えることで歯並びを整えていく治療法です。表側矯正は昔からある治療法で、歯列矯正の中でも症例数や実績が豊富にあります。
また矯正装置を歯の表側に付けるため、術者が歯の動きを直接確認しやすく臨機応変に細かな調整が可能です。
表側矯正のメリット
表側矯正には、次の4つのメリットがあります。
● 幅広い歯並びに対応
● 会話のしやすさ
● 費用を抑えられる
● 自己管理の必要性
それぞれについて、詳しく解説します。
幅広い歯並びに対応
表側矯正では、ワイヤーの引っ張る力を利用して少しずつ歯並びを整えていきます。そのため奥歯を前に移動させる、傾いている歯の向きを大きく変える、丸い歯を回転させるなど、さまざまな動きができ出っ歯や受け口、開咬などの不正咬合(ふせいこうごう)と言われる嚙み合わせの悪い歯並びにも対応可能です。
話しやすさ
矯正装置の種類によっては舌に装置が当たって、話しづらくなったりハッキリと言葉を発音できなかったりすることがあります。表側矯正では歯の表側に装置を付けることで舌の動きを邪魔せず、矯正前と同じように会話ができます。
そのため、人前で話す仕事や接客業などをしている方におすすめの治療法です。
費用を抑えられる
歯列矯正は見た目の改善が目的になるため、自費診療になります。表側矯正は金属のブラケットとワイヤーの装置が一般的で、この場合の治療費の相場は下記の通りです。
● 全体矯正:600,000円〜1,300,000円
● 部分矯正:300,000円〜600,000円
なお、当院の表側矯正は1,177,000円(税込)です。当院のさらに詳しい治療費についてはこちらのページをあわせてご覧ください。
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自己管理の必要性
表側矯正では装置を歯の表面に固定するため、患者自身の付け外しといった自己管理が必要ありません。矯正中は常に歯に力がかかっている状態で、計画的に治療が進みやすく予定していた期間で矯正完了するケースがほとんどです。
また、月に1回の来院時に装置の調整や歯の動きをチェックすることで、口内の変化に気がつきやすく早期に対処できるのも大きなメリットです。
表側矯正のデメリット
表側矯正はメリットがあるいっぽうで、次のようなデメリットもあります。
● 装置の目立ちやすさ
● 矯正中の痛み
● 食事や歯磨き
● 虫歯や歯周病のリスク
● 金属アレルギー
それぞれのデメリットについて、解説していきます。
装置の目立ちやすさ
表側矯正は金属のブラケットとワイヤーの装置が一般的で、ギラギラとした装置が目立ちやすいのがデメリット。しかし近年では、透明のプラスチックや白いセラミックのブラケット、白いワイヤーなどに変更することで歯の表面に装置を付けても目立たなくなっています。
特にセラミックブラケットは、天然歯の色に近く艶がある材質で口元全体に馴染みやすく、パッと見ただけでは矯正していることがわかりづらい点が魅力です。
矯正中の痛み
表側矯正では、次の時に痛みを感じやすい傾向です。
● レベリングをしている
● 初めて装置を付けた、調整日から数日間
レベリングとは、歯列全体をある程度までキレイに並べること。ガタガタしている歯並びを、正しい位置に動かしている時に痛みを感じることが多いです。
また、初めて矯正装置を付けた時やワイヤーの調整をした際には痛みを感じやすくなります。痛みの強弱は人によって感じかたは違いますが、痛みのピークは2〜3日でその後は少しずつ落ち着いてくるケースがほとんどです。
食事や歯磨き
表側矯正の装置は固定式で取り外しができないため、食べかすや汚れが溜まりやすいです。特に繊維のある食べ物は装置に絡まりやすく、歯磨きで取るのも時間がかかる傾向です。
他にも外食時には、装置に食べ物が詰まるのが気になり食事に集中できなくなることで、食事を楽しめないと感じる方もいます。
虫歯や歯周病のリスク
ワイヤー装置の周辺に食べかすや汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなる傾向です。特に歯周病は顎の骨を溶かす病気で、症状が進行すると歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。矯正中に虫歯や歯周病を発症すると治療が優先され、矯正治療が一時的に中断します。矯正期間が延びる原因にもなるため、矯正装置を付けた後は歯科医師や歯科衛生士から歯磨きの仕方を教えてもらうのがおすすめです。
金属アレルギー
表側矯正では金属のブラケットやワイヤーの装置になるため、金属アレルギーのある方は使用できません。金属アレルギーに不安がある方は、事前にパッチテストを受けておくと安心です。
他の矯正装置と仕上がりの差の比較
ここでは表側矯正と他の矯正装置で、最終的な歯並びの仕上がりに差がでるのかを比較します。
● 裏側矯正(舌側矯正)
● ハーフリンガル矯正
● マウスピース型矯正
それぞれの治療法について詳しく解説します。
裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正は歯の内側にブラケットやワイヤー装置を付けて、歯並びを整える治療法のことです。表側矯正と同様にワイヤーの引っ張る力を利用して歯並びをキレイにするため、仕上がりに差がでることはほとんどありません。
なお、当院では裏側矯正も取り扱っています。裏側矯正の詳細について知りたい方はこちらもあわせて確認してください。
>>>裏側矯正のページはこちら
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正とは上顎には内側に下顎には表側にブラケットやワイヤー装置を付けて、歯並びをキレイにすることです。片顎だけ歯の裏側に装置を付けるため、ハーフ(半分)リンガル(舌側)矯正と呼ばれています。
ハーフリンガル矯正は表側矯正と同じくワイヤーとブラケットを使用してるため、最終的な仕上がりに差がでることはほとんどありません。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正とは、透明のマウスピースを交換しながら歯並びを整える治療法のことです。マウスピース型矯正では、次のような動きを苦手としています。
● 奥歯を前に移動させる(近心移動)
● 根の向きを大きく変える
● 丸い歯を回転させる
上記のような動きは表側矯正では得意な動きになるため、歯並びの状態によっては仕上がりに差がでることがあります。
歯並びの仕上がりに差がでる原因
矯正装置によって得意な動きや苦手な動きがあり、歯並びの仕上がりに差がでることはありますが、装置以外にも次の要素が最終的な仕上がりの差の原因になりやすいです。
● 抜歯の有無
● 歯科医師の技術力
● 適切な治療計画
それぞれについて詳しく説明します。
抜歯の有無
抜歯の有無によって最終的な歯並びの仕上がりが違ってきます。たとえば、抜歯をせずに歯並びをキレイにする場合には、次のいずれかの処置を行います。
● 奥歯より後方のスペースに歯を動かす
● 歯を少し削る(ディスキング)
上記のような処置を行うと抜歯をせずに歯並びを整えることはできますが、歯並びの状態によっては歯を並べるのに限界があり、ある程度キレイな歯並びの仕上がりになります。つまり、自身の理想とする歯並びにはできないことがあります。抜歯を行い十分なスペースを確保することで、満足できる治療結果に繋がるケースもあるのです。
歯科医師の技術力
矯正治療は歯科医師の技術力によって、最終的な歯並びの仕上がりに大きな差がでやすいです。たとえば、ワイヤー矯正では術者がワイヤーを曲げて歯にかける力を調節するため、歯科医師の技術力に左右されやすいでしょう。
適切な治療計画
適切な治療計画でなかった場合には矯正期間が延びる、思っていたような歯並びにならなかった、といったトラブルが起きることも少なくありません。
特にマウスピース型矯正ではデジタルを活用し、計画シミュレーションを立案するケースがほとんどです。計画シミュレーションが適切であれば満足のいく治療結果になりますが、同じマウスピース型システムでシミュレーションを行い治療計画を立案した場合でも、歯科医師の経験の差が最終的な仕上がりの差として現れやすいです。
当院ではワイヤー矯正・マウスピース矯正ともに独自の細かなシミュレーションで治療計画を立てていき、ご契約いただく前に仕上がり感を想定していただきやすい環境を整えております。
まとめ
矯正治療では、治療法の選択やどこまでキレイな歯並びにしたいのかによって最終的な仕上がりに差が出やすいです。また、歯科医師の技術力にも左右されるため、矯正治療を行う際には経験や知識が豊富な歯科医院を選ぶのが大切です。
なお、当院では日本矯正歯科学会所属の矯正を専門とする歯科医師監修のもと、 矯正歯科の基本的な教育を受けた歯科医師による矯正治療を提供しています。自分の理想的な歯並びにしたい方は是非一度、ご相談ください。
精密検査はどれぐらい精密なのかや経験談はカウンセリングでお伝え可能です。当院で矯正を始めたいと思っていただけた場合、精密検査(有料)へのご案内も可能です。
笑顔が美しい歯並びを手に入れましょう。
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