こんにちは、難波矯正歯科です。
皆さんは「外科的矯正」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、一般的な矯正治療とは違い、
外科的矯正と聞くと恐いイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
しかし、通常の矯正治療では治らないケースも多々あり、そのような方には外科的矯正治療がとても有効になります。
そこで今回は、外科的矯正治療のメリットとデメリットについて詳しく解説をします。
どのようなケースに外科的矯正が必要になるのかも合わせてご説明しますので、
今後、矯正治療をお考えの方はご参考にして下さい。
外科的矯正治療とは?
外科的矯正治療とは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの一般的な矯正治療ではなく、
骨格の手術が必要になる矯正治療のことを言います。
上下で顎の骨の位置がずれていたり、顎の大きさが正常ではなかったり、左右で骨格のバランスが崩れていたりなど、
歯並びを治す一般的な矯正治療だけでは改善が見込めない場合に外科的矯正治療を行います。
一般的な矯正治療と合わせることで、噛み合わせや歯並びの改善だけでなく、
顔の左右の歪みなどの改善もできる治療方法です。
外科的矯正治療が対象となる人
1.上顎前突症
下顎が後ろに下がり過ぎている。ガミースマイル。
2.下顎前突症
顎がしゃくれている。下顎が前に出ている。
3.顔面非対称症
顔が左右で歪んでいる。
上記の理由が原因で来院される方が多くいらっしゃいます。
このような方は、根本的な原因が骨格にあるので外科的矯正治療が適応になります。
外科的矯正治療の方法と手順
外科的矯正治療は、一般的な矯正治療と顎骨の手術も行います。
顎骨の手術前に、術前矯正治療という矯正からスタートします。
そのため、術前矯正治療→顎の手術→術後矯正治療→プレート除去手術という流れになります。
1.術前矯正治療
術前矯正治療顎の手術後に噛み合わせが安定するようワイヤー矯正で歯を並べます。
術前矯正治療では噛み合わせのバランスが崩れ、逆に噛みにくい状態になります。
2.顎骨の手術
手術は総合病院や大学病院で全身麻酔下で行い、顎を削り理想的な位置でプレート固定します。
術後の入院期間は、術式や患者さんの回復状態により変わりますが、早い人で5日、通常1~2週間の入院が必要になります。
3.術後矯正治療
術後矯正治療手術で移動させた顎の骨は、筋肉などに引っ張られて多少後戻りを起こします。
後戻りの防止と噛み合わせ定着のため、上下のワイヤーにゴムをかけます。
そして、手術では合わせきれなかった噛み合わせのバランスを微修正して歯並びを仕上げていきます。
4.プレート除去手術
手術で顎の骨を留めるために使用した、プレートやネジを取る手術を行います。
術後1年程経過した頃に、顎の骨の戻りが落ち着いていれば行います。
骨を削ることはないので患者さんの負担や入院期間も少ないのが一般的です。
この手術は、必ず全員行うわけではなく口腔外科の先生との相談で決めます。
外科的矯正治療の8つのメリット
外科的矯正治療は、通常の矯正治療では効果が得られない方にとって多くのメリットがあります。
ここでは外科的矯正治療のメリットについて詳しく解説していきます。
1.矯正治療が困難な歯並びにも対応できる
下顎が出て受け口になっていたり、顎が左右非対称で口元が歪んでいる方など、
骨格に問題を抱えている場合通常の歯列矯正だけでは限界があります。
一般的な矯正治療が困難なケースでも、外科的矯正治療では顎の骨を適切な位置に整え歯列矯正を行えば
歯の噛み合わせや歯並びを改善できます。
2.歯周組織に負担をかけず治療できる
骨格に大きなずれがある状態で矯正治療をすると、歯や歯肉などの歯周組織にも負担をかけてしまいます。
外科的矯正治療は、外科医が高度技術で治療にあたるため歯周組織への負担も減らすことができます。
骨格が原因での歯並びが改善されると、噛む力のバランスも整い噛みしめなどによる歯肉への負担も減ります。
3.顔の輪郭が整う
一般的な矯正治療では歯並びだけの改善になりますが、外科的矯正治療では骨格そのものを変えることができるため、
口元や顔の歪みなど輪郭の悩みも改善されます。
生まれつき受け口や出っ歯などで悩まれていた方も、外科的矯正治療をすることで顔の印象ががらっと変わることでしょう。
4.健康と精神面での改善効果
歯並びや噛み合わせがよくないと、むし歯や歯周病のリスクの他、
頭痛や肩こりなど全身への体調不良が起こりやすくなります。
また、歯並びなどの見た目から人前で笑いにくいというコンプレックスを抱えている方も多いです。
歯並びや顔の歪みを外科的矯正治療でとることにより、自分の顔や印象に自信が持て、
心と体の健康面から見てもよい効果が期待できるでしょう。
5.保険が適用される
一般的に矯正治療は保険適用外となることが多いです。
しかし、外科的矯正治療は厚生労働省が定める手術をした場合、保険適用となるため治療費の負担が少なくてすみます。
外科矯正が必要となる症状の多くは顎変形症で、顎変形症の治療は外科処置だけでなく歯科矯正でも保険適用となります。
また、生まれつきによる咬合異常と診断された場合の保険適応での治療を受けることができます。
6.保険適用のケース
厚生労働省が定めた特定59症状の先天疾患が原因の咬合異常についての矯正治療は保険適用が可能になっています。
上顎前突症、下顎前突症、上顎後退症、下顎後退症、顔面非対称症、開咬症などが
外科的矯正治療が必要になるケースが多く、それぞれに合わせた外科手術で対応します。
7.高額医療費の還付制度の利用ができる
同一月内(同月の1日〜31日まで)に同一の医療機関でかかった自己負担額の限度額(年収によって異なります)を
超えた分について支給される制度です。
入院が月をまたいだ場合など、金額が限度額に達しないために支給されないこともあります。
費用のかかる手術や入院を予定している時は、同一病院で月の初めから治療した方がよいでしょう。
8.高額療養費貸付制度の利用ができる
高額療養費給付を受けるには一度3割負担分を支払わなければなりません。
しかし、還付までは数ヶ月程時間がかかる場合があるので、
後日の還付金を担保として融資を受けることができる制度(高額療養費貸付制度)があります。
他にも、初めから還付額を見越して自己負担額のみの支払いにする制度(委任払制度)などが利用できる場合もあります。
詳しくは病院の医事課や加入の保険組合、市町村などに相談してみて下さい。
外科的矯正治療の4つのデメリット
ここでは外科的矯正治療を受けることでのデメリットについて解説していきます。
メリットだけでなく、リスクについてもより詳しく知ることで治療に対する向き合い方が変わるかと思います。
メリットとデメリットを正しく理解し矯正治療の検討にお役立て下さい。
1.入院が必要
外科的な手術を行うため一定期間の入院が必要となります。
学生であれば長期休みの時に、会社員であれば有休休暇も視野に入れての時間の確保を考える必要があります。
入院期間は手術の内容によって異なるので、担当医師に入院期間を聞いておくのがよいでしょう。
2.全身麻酔による合併症
外科手術は全身麻酔下で行われるので合併症のリスクが多少なりともあります。
症状としては、吐き気や悪寒、人工呼吸器を装着することでの喉の痛みや唇、歯の損傷などです。
また、全身麻酔の薬剤に対してアレルギー反応が出た場合は、発疹や咳が出ることもあります。
全身麻酔の安全性は向上しているので、これらの症状がすべての人に出るというわけではありませんが
リスクがあることも覚えておきましょう。
3.術後の副作用
顎の骨を切除したりずらしたりすることにより、術後の副作用も考えられます。
副作用として多いのは、全身麻酔から覚めたあとの痛みや発熱です。
その他、想定される副作用についても、手術前に担当医師から十分な説明を受けておきましょう。
4.治療による知覚麻痺
退院した後でも痺れや麻痺、口が開かないといった知覚麻痺が残る場合があります。
軽い知覚麻痺は時間の経過とともに自然に治っていきます。
外科的矯正治療などの難易度が高い医療は少なからずリスクがつきものです。
しかし、顎骨の問題で満足のいく矯正治療を受けられないという方にとっては多くのメリットもあります。
まとめ
入院期間やリスクなどについては矯正医から詳しい説明を聞き、治療に対してしっかりと理解することが大切です。
メリットとデメリットを正しく把握しておけば、必要以上に不安がることはありません。
慎重に検討をし、信頼できる医師のもとで矯正治療を行いましょう。
難波矯正歯科では、外科矯正による治療のご相談にも対応しております。
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